歯の話

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タコの口

以前友人が「半夏生(はんげしょう)にタコを食べた。」と言っていました。「半夏生」とは夏至から数えて11日目の日のことで、毎年7月2日前後がそれに当たります。半夏生は昔から農業では節目となる重要な日だったそうで、各地で「半夏生までに畑仕事や田植えを終える」あるいは「この日には畑仕事をしない」といったものから、「ハンゲ」というお化けが出るという地域まで色々な言い伝えがあるそうです。冒頭の友人が言ったような「タコを食べる習慣」は関西を中心として根付いているようです。

ところでタコはカニや貝の殻を砕いて身だけを食べるのだそうですが、その肝心なタコの口はどこにあるかご存知でしょうか?おそらく多くの人が顔から突き出した部分が・・・と想像するでしょうが、それはタコの口ではありません。

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頭と思っている部分も実は胴体で、突き出した口の様なものは実は「漏斗(ろうと)」といい、海水や墨を吐き出したり排泄口であったりもします。産卵時に卵を出すのもこの漏斗です。

本当のタコの口は8本の足の根元の中心にあります。中に「顎板(がくばん)」という上下対になった硬いくちばし状の物があり、非常に強い力で顎板を合わせ、硬いカニや貝の殻を砕きます。しかしこの顎板は歯ではありません。顎板はその形から「くちばし」と呼ばれたり、上下各々の形から「からすとんび」とも呼ばれます。

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ではタコの歯はどこにあるのでしょう?この上下のからすととんび、すなわち顎板の奥にヤスリの様にギザギザした「歯舌(しぜつ)」という硬い組織があり、これが歯の役目をしています。歯舌はタニシやカタツムリでもみられ、歯舌を持つ動物は食物をこすりとる様にして食べるといわれます。

釣りをする人達から「引きの強い魚は食べた時に口の周りの身が美味しい」という話を聞いた事があります。針にかかった際に強くぐいぐい引っ張る様な魚は、確かに口周囲の筋肉が発達しているでしょうから美味しいに違いありません。

カニや貝の殻さえ破るのですからタコの口も非常に強い筋肉で囲まれていておいしいはずです。実際食べるとコリコリとした歯触りとなるので、「タコのくちばし」は珍味として珍重されています。

(蒲郡市歯科医師会 中澤 良)  


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